びっくりレポート

 タカコ・グレッグが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート001号

10月20日(水曜日)くもり

ワールドスクールヤップの参加者が放課後、高野さんと一緒に今年のミクロネシアプロジェクトについて話し合うために集まりました。

 昨年から今年にかけて、大規模なエルニーニョ現象が発生し、ミクロネシア地域では過去150年なかったほどの日照りが予想されていました。

 昨年のワールドスクールジャパンの冒険プロジェクトでも、これが取り上げられ、ウォレアイやヤップ島の仲間たちがそれに備え始めたというレポートが発信されました。

 予想を教えてくれたのは、ヤップ州公共事業公社のロブ・ウェスターフィールドさん。 ヤップ州の人々の飲み水や、産業用の水を管理している責任者です。昨年の予想は「98年に入ったらヤップでは例年の8割減、ウォレアイでは7割減」というすごいものでした。

 実際にどうだったかを、今日(10月20日)にウェスターフィールドさんに尋ねに行きました。

 「いやあ、実際は予想よりひどかったんだよ」とひげのウェスターフィールドさん。

 ヤップでは9割減、ウォレアイでは8割減。ヤップ島の主要な貯水場からは、毎日20センチずつ、水が蒸発でなくなっていって、4月4日に完全にカラになってしまったそうです。

 「誰も知らなかったけど、貯水場にはウナギがたくさんいて、とうとう水を吸い上げるポンプいっぱいに詰まってしまった」

 翌日からヤップ島では、海水を真水に変える機械を動かして、一日2万5千ガロンの水を作ったそうです。また6万ガロンを毎日何とか井戸から組み上げましたが、合計で20万ガロンたまらないと、ヤップ島のコロニアという州都の人たちに水を供給できません。

 4月からコロニアの人たちは、一日おきに2時間だけ、水を使うことが許されました。車を洗うのも、コンクリートを作るのも禁止です。飲むことと食べること、身体を清潔にすることが主です。

 98年5月から60日間、エルニーニョの影響とされる深刻な水不足に対応するため、ウォレアイで稼働した、海水から真水を作る機械。。
 ウォレアイ島にも、海水を真水に変える機械を持ち込んだそうです。

 今年になって雨が降らず、どんどん貯水槽の水が減っていき、4月にとうとう危険レベルとなりました。その頃ちょうど、アメリカが、ヤップ州を「緊急災害地域」に指定し、地域の人たちに援助するべく予算をつけました。ウェスターフィールドさんたちがプロジェクトをまかない、島に機械を持ち込んだのです。

 カリフォルニアでデザインされたその機械と、それを動かすための大きな発電機が二つ。全部で25人のエンジニアたちが、船でウォレアイへ向かいました。

 やはり一日に2万5千ガロンずつ、60日間真水を作り続けたそうです。

 水は、ウォレアイを基地にして、そこから西の島々に船で運ばれました。

 5月19日から稼働し、6月27日にプロジェクトを終えたときには、雨が戻り始めました。

 「ほとんどの島は、かなりの部分のタロイモ畑をやられた。タロは収穫までに数年かかるから、それらの島でまたタロが採れるにはこれから数年かかるってことだね」

 海水を真水に変える機械や、発電機を動かすためのガソリンを輸送する費用を考えると、ウォレアイで千ガロン作るには6ドルかかるそうです。ヤップでは同じだけの水を海水から作るには2ドル。

 それにガソリン代を考えると、水を作るのはとてもコストがかかります。同時に、さらに化石燃料を使うわけですから、資源も消費し、二酸化炭素もたくさん放出されます。

 今回、ヤップ島とヤップの多くの離島に真水を提供するための総費用は、ざっと200から300万ドルはかかっただろうとウェスターフィールドさんは言います。

 目の前の利益だけを考えて、一度環境を壊してしまうと、そのつけは後でもっと大きくなって跳ね返ってくるようです。

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