

びっくりレポート021号
11月7日(土曜日)晴れ 27度
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| 屋根の骨組みに上って、ヤシの葉マットを次々とくくりつけてゆくウォレアイの若者たち=98年11月7日午前8時半、ウォレアイ環礁ファララップ島で |
母屋は、長さ8メートル、幅4メートル、日本流にいうと畳20枚敷きくらいの広さでしょうか。高さ5メートルほどの高い屋根が乗っています。屋根はヤシの葉で出来ています。木の骨組みの上に、ヤシの葉で編んだマットを何枚も重ねてあります。日本の昔のかやぶき屋根と同じような構造です。
5年に一度くらいの割合で屋根のヤシの葉のマットを交換します。古くなると雨漏りがしてくるのだそうです。今回は正面から向かって右側半分の屋根をかえます。
午前7時40分ごろから、あわただしくなりました。
一家の娘むこのフェビアンが、長くて太いロープを持ってきて、右側の屋根から左側の屋根に渡します。このロープを握って、屋根を上っててっぺんに上がるのです。
近隣から集まってきた若者たち13人が次々に屋根に上り、てっぺんから古いヤシの葉マットを外して落とします。マットは直径数ミリのヤシロープでしばってあって、それをほどいていくと次々にマットが落ちてくるわけです。
マットは、長さ3メートル、幅50センチほどの大きさです。葉の中心で折りたたんで、葉を編み込んであります。古いマットは葉の先がぼろぼろになっています。
落し終わるのに20分くらいかかりました。屋根は骨組みだけになり、軒先には高さ1メートルほどの古いマットの山が出来ています。
今度は、下から順番に新しいマットを取りつけていきます。15人が並んで、一斉にマットを取り付けます。気が付くと、とても多くの男たちが集まっています。全部で40人以上います。最初は若者ばかりだったのですが、今度は77歳の長老も含む大人たちがずらりとそろって、ちょっと厳しい目つきで作業を見守っています。家を作る仕事は、この島では一人前の男と認められるために欠かせない技術です。なのでふき替え作業にも、男たちは総出で参加して、成り行きを見守るのです。
使うマットは約700枚。島の南半分にある二つの村がみんなで協力して、事前に用意しておきました。一軒ごとに10枚から40枚を編んで持ってきます。お互いが助け合うので、どの家から何枚もらったのかを、全部紙に書いて記録します。もらった分を次にお返しするのです。
9時半には新しいマットが取り付けられました。みんな朝日に当たりながらの作業で、汗だくです。真っ青な空を背景に男たちが汗光りしながら働いている姿はとてもきれいです。
気が付きましたが、この作業に関係しているのは全部男です。女は、姿を見せません。家を作るのは男の仕事とはっきりと区別されているからだそうです。
最後に、古いマットの山を近くの森の中に引き込んで作業は終わりです。古いマットはタロイモ畑の肥料になるのです。
近くのカヌー小屋に移動した男たちは、フランシスコ一家からのお礼のたばこを一軒に一箱づつ程度分けて家に戻りました。
わずか2時間たらず、一時は騒然としたあたりもあっという間に静けさが戻りました。隣近所がみんなまるで大きな家族のように助け合って生活している象徴のような朝の作業でした。
(報告:大前純一)
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