びっくりレポート

 タカコ・グレッグが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート030号

11月14日(土) 曇りのち雨/26℃

フランシスコ家の娘ジュリアナ一家が住む家にすえつけられたプラスチック製の貯水そう。トタンの屋根から集められた雨水が、タンクの中にたまる=98年11月14日、ミクロネシア連邦ウォレアイ環礁で
 このところ雨がしきりに降ります。

 ずっと降り続けるのではなく、数分間から数十分間、激しい雨が降り、また曇り空に戻ります。時には青空がのぞき、太陽の光が差し込んでくることもありますが、また雨になります。一晩の間、平らな器を外に出しておくと、深さ 10ミリから15ミリ程度の水がたまっています。

 夜の間にも雨が降りつづけると、明け方は大変涼しくなって、いつもは28度くらいの気温が、26度にも下がります。

 クーラーなしの世界ですが、26度だと大変涼しく感じるのは、回りの地面がコンクリートで固められてることもなく、建物も風通しがよいからだと思います。

 今日は午前10時前に飛行機が飛んできました。雨雲の間をぬってたどり着いたようです。二週間置きの水曜にしか飛んでこない飛行機が土曜日に来たわけは、ウォレアイ環礁からさらに離れたイファリック島と、ラムトレック環礁で医薬品が不足したために、空中投下をするというのです。どちらの島にも、医者はいませんが簡単な治療ができる施設があります。看護士がいて、薬はいつもは定期船で運ぶのですが、その薬がなくなってしまったために、政府が飛行機を飛ばして医薬品の補給をするのだそうです。

 どちらの島にも滑走路はありませんので、薬は空から落とすのだそうです。パラシュートをつけるのかどうかはウォレアイの人は知りませんでした。わかったら報告します。

 水の報告をします。

 島に降った水は、人々の貴重な飲料水になります。雨水を屋根から集めてためておく貯水そうのことを「キャッチメント(catchment)」と呼びます。きれいな雨水を集めるために、多くの家では水集め用の屋根を決めて、それをトタンぶきにしています。といで集めた水を、大きな貯水そうにいれるのです。

 最近、どの家にも、黒いプラスチック製の容器が配られました。大人の背丈ほどもあり、直径も1.5メートルくらいでしょうか。日本流では大きなみそだるのような形です。上の面に直径20センチくらいの穴が開いていて、そこに目の細かなゴミ除けの網を乗せてあります。たまった水は一番下の側面に付けた蛇口から取り出して使います。

 この新しい貯水そうは、去年からの干ばつで米国の連邦危機管理庁(FEMA)が緊急災害救助として配りました。

 それまでの貯水そうは、高さ3メートルほどもある大きなコンクリート製の貯水そうです。とても大きいので、人が暮らす建物とは関係なく、この貯水そうに水を集めるためのトタン屋根を貯水そうのわきに作ってあります。

コンクリートで囲われた井戸。手押しポンプは壊れている=98年11月14日、ミクロネシア連邦ウォレアイ環礁で
 FEMAの貯水そうが全部の家に配られたので、昔から使ってきた貯水そうはいまはほとんど使われていないようです。

 コンコンとたたいてみると、プラスチックの貯水そうの中には、どうやら9割程度は水がたまっているようです。雨が多いので、飲み水の心配はしないですみそうです。

 洗い物やシャワーには、井戸の水を使います。地面から水面までの深さがわずか1メートルほどの井戸が、フランシスコ家の裏手にあります。

 ちょっと黄色がかった水で、飲むためには沸かさなくてはならないとフランシスコさんはいいます。井戸は政府がこれも一家にひとつづつ1993年に掘って、手押しのポンプを付けてくれたのだそうです。でもフランシスコさんのポンプは壊れているので、容器にひもをつけて手でくみ上げます。井戸の底まで透き通って見えます。底は砂になっています。井戸を掘るときに深く掘りすぎると塩水が出てきてしまうとフランシスコさんはいいます。

 ヤップ本島にいる水の専門家に聞くと、ひらべったいさんご礁の島では、真水は島の地面の下に薄くて真ん中がちょっとだけ厚くなったレンズのような形で存在していて、その下には海水がしみ込んでいるのだといいます。フランシスコさんの説明はまさに実際がその通りになっていることを示しています。

(報告:大前純一)



前のレポートに次のレポートに
びっくりレポート目次トップニュース画面に   

Copyright World School Japan Committee & ECO-CLUB, 1996-8. No reproduction or republication without written permission.
 この画面に掲載された記事・写真・イラスト等の無断転載を禁じます。すべての著作権はワールドスクールジャパン実行委員会とエコクラブ、ならびにそれぞれの著作物の作成者に帰属します。
 ご意見、感想、お問い合わせはinfo@wschool.orgまで