びっくりレポート

 タカコ・グレッグが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート037号

11月22日(日) 晴れ / 27℃

文化に学ぶということ

たくさんあるコミュニティー・プロジェクトのうちの一つで、この高くそびえる建物は、新しく建設中のウィメンズ・ハウスです。ミクロネシア連邦は、賞金でウォレアイの伝統を保てるようにしています。この建物は、ココナッツの繊維で作られたロープやしの葉だけを使って建てられます。柱は基本的に、ココナッツの木で作られています。
 今日は日曜日です。とても穏やかでみんながリラックスしています。浜辺沿いにあるメンズハウスの中で男性たちはお昼寝しています。男の子が合板の破片でゴムのボールをお互いに打ちあっています。日曜日も、他の日と同じように魚やタロを調理したり、ツーバを切ったりする(ミクロネシア通信016号)必要はありますが、基本的にお休みの日です。静けさは、これのいいしるしなのです。

 お昼の後、浜辺まで歩いていきました。フェビアン(5歳)が日陰にあるボートの上でお昼寝していて、フランシスコは海で泳いでいて、私がウォレアイに来はじめて、ファースチナが、休んでいるのではなくて、お昼寝しているのを見ました。私は、今、ヤシの小屋の日陰に座り、ワールドスクールのみんながどう日曜日を過ごしているのかな、と考えています。

 今日は休みの日でもありましたが、ルイス校長先生とウォレアイの変化について話す機会でもありました。我々の会話は、今作っている最中のウィメンズハウスについての質問から始まりました。

 貴重な伝統を守るためのプログラムの一部として、ミクロネシア連邦の政府が伝統を復元したり、伝統的なやり方で行うプロジェクトに賞を与えています。ウォレアイの新しいウィメンズハウスは地元の材料と伝統的な技術だけでつくられることになっています。これに、学校の生徒が手伝うということも認可されています。島中の女性たちは屋根を作るためにヤシの葉っぱを編んで、男性たちは数千メートルのヤシのロープをつくり、カルチャーの授業で学校の生徒たちも手伝いをし、この文化的財産を作りあげる。どれぐらいの財産になると思いますか?政府はウォレアイに一万ドル(80万円)の賞を与えるのです。びっくり!政府が伝統をサポートすることはよいことだと思いますが、ただお金を儲けるためにやっている人もいる、とルイスは言います。確かに伝統を支えてくれる政府はすばらしいですが、お金がもらえる賞がどんな影響を与えるのか、疑問です。

 話が変わって、「島の人々が個人中心的になってきている」とルイスが言いました。人々は、「自分」の将来や「自分」の家族の未来に関心を持つようになっているのだそうです。「私の友達は子どものための貯金のことで心配しています。昔だったら、だれかが外に出て学校に行く必要があったら、村中の人たちが働いた。私が、チュックで高校に行っていた時、すべての子どもがチュックに行けるように島中の人々はコプラを一生懸命つくった。本当はそうなのかもしれないが、今は、親たちは自分で払わなければならないと心配している。」集団意識(家族、村、島)が減少しつつあるため、ルイスは心配しています。

 集団意識の変化を見るには「ハリア」と「バッキン」がいい例です。ハリアは「心から悔い改めるのための支払い」です。これは、地元のものだったり、たまにお金で払ったりしますが、個人だけが払うのではなくて、違反者の家族や村が「本当に申し訳ない」ということを表すために支払いました。酔っ払いが喧嘩したり、攻撃的になったり、文化的な規則を破ったらハリアを払わされました。現在、ハリアはまだ使われていますが、少しずつ「バッキン」に変わってきています。

 「バッキン」は日本語の罰金からきています。バッキンはハリアと似ていますがバッキンは個人で払えばいいし、支払いはただの支払いです。ルイスが「払ったら、おしまいという感じ。こころや家族は関係なくなってきている」と言いました。

 どんな文化も変化し続ける、ということにルイスは賛成していますが、彼は文化の方向性はとても大事だと思っています。島の若い男性たちが、文化を昔に戻すことは無理だという話をする時に、ルイスは、「違うよ。逆戻りはできないけど、伝統から学んで発展したり、前に進むことはできるんだよ。」と言います。

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