

サンゴ島の地質の特徴と島の下の水
サンゴ島は水がとても浸透しやすい岩石や土でできているので、周りの海水が島の下のほうにまでしみ込んでいきます。雨が降ると雨水は地表をつたって流れますが、島の土壌にも浸透して、海水の層のところまで届きます。「真水」の雨水は「塩水」の海水より質量が軽いので、塩水の層の上に真水の層をつくります。この真水の層の断面を見ると、真ん中あたりが一番厚く端にいくにつれて薄くなるので、ちょうど虫眼鏡のレンズような形に見えます。それで、島の「水レンズ」とよばれています。
この水レンズの厚さは、「島の大きさ」と「土壌への水の浸透しやすさ」によって変化します。真水と塩水では密度が違うので、真水でできた「水レンズ」は、大部分、つまり海面から上に頭を出している高さの40倍の厚さが、海水層の中に沈んでいます。つまり、丁度氷山の大部分が海面下に隠れているのと同じような状態で海水の層の中で浮いているのです。ファララップ島くらいの大きさの島では、海水の層の上に出ている水レンズの高さは1インチ程度なので、40インチから60インチくらいが海水の層の表面下に隠れていることになります。真水の層と塩水の層の境目ははっきり分かれているわけではなく、深いところに行くにつれて、だんだん塩分が濃くなっていきます。
理屈の上では、ファララップ島くらいの小さな島でも、一年中で一番乾燥した時期に人々が使うのに十分な量の水が水レンズの中に蓄えられているはずです。1/2平方マイルの大きさで3フィートの厚さの水レンズならば、250万ガロンの真水を含んでいる計算になるからです。しかし、タロ芋畑のお陰で、このレンズの水のほとんどが飲用に使用できません。タロ芋は通常、水レンズが一番厚くなっている島の中心部でできますが、畑で使われる有機肥料のおかげで、畑の近くにある地下水を飲料には適さないものにしてしまうのです。島の周辺部で地中に縦に掘って作った井戸のほうが、特にポンプを使った場合には、地中の真水の層にしっかり届く可能性が高くなります。しかし、真水を吸い上げ過ぎると、塩水が上がってきて円錐のような形になってしまうので、井戸が再び使えるようになるまでには、何年もかかります。
小さい島では、ちょっとした汚染が、すぐに水レンズに移ってしまいます。だから島の人たちは海や海岸をトイレに使うのです。ウォレアイのような環礁サンゴ島では、多くの島が同じようにしています。地中に掘ったトイレに溜まる汚物が、直接水レンズを汚染してしまうからです。地表がほんの少し汚れる程度なら、汚染物は、地表からしみ込んでいく過程で数フィートの厚さの砂や砂利のフィルターを通り、水の層を汚染する前に分解されたり蒸発したりするので、それほど大問題というわけではありません。しかし、化学物質によっては、分解も蒸発もせずに水の層まで届いてしまうものもあります。
(情報提供:ヤップ州公共事業公社ロブ・ウェスターフィールド)
【翻訳:川井路子】
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